睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠中に呼吸が止まったり呼吸が浅くなることで、体内の酸素が不足してしまう疾患です。体内の酸素が不足すると、全身が低酸素状態に陥ります。
軽度の場合は日中の眠気や倦怠感を引き起こし、重度になると心臓に負担をかけ、様々な合併症を生き起こす可能性があります。
低酸素状態で心臓に負担がかかると、まずは、高血圧や心不全を合併しやすくなります。この血圧の変化で全身に負担がかかり、血管が固くなる動脈硬化が進行し、心筋梗塞や脳梗塞などの命の危険に関わる疾患を引き起こすことがあります。
空気の通り道の上気道が睡眠中に狭くなることで酸欠が起こり、睡眠時に低酸素になってしまう状態です。睡眠時無呼吸症候群の中で一番多いタイプがこの「閉塞型」です。
脳や脳幹部から呼吸器に対して出す信号の異常などにより、気道の閉塞なしに呼吸が停止してしまう状態です。主に脳や脊髄、心臓に影響を与える疾患などや、呼吸を抑制するような薬の影響などによって引き起こされるタイプです。
思い当たる方は、
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肥満の方は特に注意が必要です。肥満の方は見た目だけでなく、軟口蓋や喉にも脂肪がついて、それによって上気道を狭めます。横になることで重力がかかり息の通り道がさらに狭くなって、睡眠時無呼吸症候群になる可能性が高くなります。
また、扁桃腺肥大なども腫れて気道を狭くするため、お子さんの睡眠時無呼吸症候群が起こることがあると言われています。
アルコールを飲むと体の力が抜けるように、気道の筋力も低下します。高齢の方も、気道の筋肉が落ちることで気道を狭める可能性があります。
さらにアジア人は、欧米人と比較して下あごが小さいため、肥満でない方も睡眠時無呼吸症候群を発症する人が多いので、積極的に疑う必要があります。
上記のような症状がある方は睡眠時無呼吸症候群かもしれません。特に会議中などの寝てはいけない場面で寝てしまう方は睡眠時無呼吸症候群の可能性が高いです。
睡眠時無呼吸症候群を世間に注目させた2012年の関越自動車道のバス事故があります。これは運転手が睡眠時無呼吸症候群によって居眠り運転をしてしまい、バスが高速道路脇の壁に衝突したものです。この事故で乗客7名が亡くなり、38名が重軽傷を負ったことで睡眠時無呼吸症候群が広く知れ渡るきっかけとなりました。
このような生活に支障がで出るほどの眠気がある方は睡眠時無呼吸症候群の可能性がかなり高いです。
上記の生活習慣病がある方は注意が必要です。先ほどの肥満に加え、飲酒、運動不足なども睡眠時無呼吸症候群を発症するリスクがあります。睡眠中の無呼吸により、体内の酸素量が減少すると心拍数を早くしてしまい、血管を締めて睡眠中の血圧が高くなります。その場合は血圧の数字を下げるだけでは意味がなく、眠時無呼吸症候群の治療が必要になりますので高血圧の方は特に注意が必要です。
このような症状、リスクのある疾患をお持ちの方は検査を受けましょう。
【検査で分かること】
【費用】
保険診療(720点)が適用できます。
となっております。
【検査結果が出るまでの期間】
機械をお送りして頂いてから解析するため3週間程度かかります。
【概要】
この検査で重要になるのが、
AHI(Apnea Hypopnea Index:無呼吸低呼吸指数)です。
AHIとは、
の総和で計算される数値です。 この値が、
となっております。そのため、簡易アプノモニターでは、
の2点を判別することができます。
【検査で分かること】
簡易アプノモニターとの違いは、SpO2(酸素状態の測定)に加えて、末梢動脈波を測定する機能が加わっていることです。この末梢動脈派を測定することで、睡眠状態が軽睡眠・深睡眠・REM睡眠かを識別することができます。起きているか、寝ているか識別したうえで検査することにより、さらに正確にAHIの測定ができます。
【費用】
保険診療(720点)が適用できます。
となっております。
【概要】
AHI 5以上の方は、
にあわせて、治療が必要かを検討します。特にAHI30以上の重度の方のほとんどがCPAP療法が必須です。しかし、国の方針でAHI30以上で重症でも、40にAHIが達していないと保険診療でのCPAP治療認められておりません。このように、CPAP基準に達しなかった重度の方にお勧めしているのが、フィリップス・レスピロニクス社のウォッチパット ユニファイドによる検査です。
従来のアプノモニターは、起きてる時間も含めてカウントしてしまうので、本来のAHIよりも低い値が測定されることが多いです。一方でウォッチパット ユニファイドは、末梢動脈派を測定することで、より正確な睡眠時間を測定することができますので重度ながらもCPAPの基準を満たさなかった方は、ウォッチパッド ユニファイドでの検査をおすすめしております。
【検査で分かること】
【費用】
13,000円
【注意】
が精査できないため、
の確認はできません。そのため、簡易アプノモニターの結果や症状から総合病院の精査が適している場合はご紹介しております。これらの特殊な病態を疑う必要がない場合は、自宅のFULL PSGでほとんどの場合は問題ありません。
【概要】
簡易アプノモニターでAHI5以上40未満の睡眠時無呼吸症候群と診断された場合は、国の方針として、脳波を含めて細かく検査をするフルPSG検査という検査が推奨されておりました。これは、
のどちらか精査し、治療適応があるか細かく精査する必要があったためです。従来このフルPSGは、総合病院や睡眠時無呼吸専門センターなど一泊して受診する必要がありましたが、患者様からは、
と多くの問題がありました。働いている方にとっては、受診日や入院日が限定されること、さらに個室で検査を行うため高額の個室代がかかることから、以前は簡易アプノモニターで重症と診断されても、検査を断念してしまう方が多くいらっしゃいました。しかし、2018年ごろ、このような方々のために、自宅でこのフルPSG検査ができるようになった機器が登場しました。
このように当院では、
このように患者様の状況に応じた複数の検査で、睡眠状態を確認しております。
なお、他院で事前に検査を行っている方などは、柔軟に対応をしておりますので、ご気軽に医師にご相談ください。
マウスピースにて治療することができます。下あごを上あごより前方に出すように固定することで気道が十分に確保され、空気の通りが楽になり、無呼吸やいびきが起こりにくくなります。軽症の睡眠時無呼吸症候群の診断を受けた方にはこのマウスピース作成が可能な歯科をご紹介しております。
マウスピースでは効果が不十分のことが多いため、当院では、この条件に当てはまる重度の方にはCPAP治療をおすすめしております。CPAP治療は、経鼻的持続陽圧呼吸療法といいます。寝ている間の無呼吸を防ぐため、CPAP装置からエアチューブを伝い、鼻や口に装着したマスクから気道へ空気を送りこみ、気道を開存させておく治療法です。CPAP治療は多くの方がAHI5以下まで正常化することができ、効果が期待できます。
CPAP治療は、日本語で経鼻的持続陽圧呼吸療法のことをいいます。寝ている間の無呼吸を防ぐため、CPAP装置からエアチューブを伝い、鼻や口に装着したマスクから気道へ空気を送りこみ、気道を開存させておく治療法です。CPAP治療は多くの方がAHI5以下まで正常化することができ、効果が期待できます。
CPAPは対策療法です。狭くなった気道を治しているわけではありません。圧をかけて一時的に気道を開いているだけなので、継続して使用することが重要です。CPAPは毎日使用し、気道を開き続けて効果を得る治療法です。
また、毎月受診しCPAPの状態をチェックしていきます。具体的には
等をお話ししております。患者様のご意見と一緒に、結果を毎月確認しております。なお当院では、呼吸器内科専門医である院長が通院する全ての患者様の結果に事前に目を通して問題点を確認しております。そのためいつご来院いただいても、同じ診療が受けられますので安心して受診していただけます。
CPAP治療は毎月通っていただいております。当院では患者様の負担を減らすため週7日診療しております。予約外でも対応が可能ですのでご自身の都合に合わせて受診ができます。
患者様の一部の方には、CPAPが合わない、つけられないといった方もいらっしゃいます。しかし、なぜCPAPが合わないかの原因を突き止めることで解決する場合も多くありますので、諦めずにご相談ください。
CPAPが合わないからと睡眠時無呼吸症候群を放置してしまうと、体内の酸素が不足し、心筋梗塞や脳卒中などの重大疾患を引き起こす可能性があります。そのため当院では、CPAPを継続して使用していただくために今後も問題解決に努めていきます。
なお当院では、
の6社と提携しています。転院を希望される方でこの6社以外を使用している方は事前にお伝えていただければ対応をしております。最初は検査を行った会社の機械を使用していきますが、その機械が患者様にあっているとは限りません。
そのため、患者様の状態やご希望に合わせて柔軟に会社変更にも対応しております。
当院では患者様がCPAP治療を継続できるようにサポートしております。
CPAP療法をいつまでやればいいのかと疑問に持たれる方が多くいます。
CPAPは対症療法なので、狭くなった気道を治すわけではなく、寝ているときだけ一時的に気道を開く治療です。そのため使用を中止すると、気道は元に戻ってしまうので継続して使用する必要があります。
しかし、私生活を改善することでCPAPを卒業することができる方もいます。睡眠時無呼吸症候群の原因として体重増加が大きな因子と考えられる場合は減量で改善が期待できます。減量された方には再度簡易アプノモニター検査施行して、機械をつけなくても問題ないか検査することもできます。
CPAPを開始された方はこのタイミングでぜひご自身の生活を見つめなおしてみてください。
CPAP治療は月に1度受診して、継続する治療法です。 CPAPの機械はレンタルで、保険診療が適用されます。
【保険点数】
【費用】
再診料など含め、
機械代金含めてお支払いをいただいておりますので、
等の追加費用は一切掛かりません。