大腸がんとは
大腸がんは近年、発症数もがんによる死亡者数も長く増加傾向にあります。もともと日本人には消化器系のがんの発症が多く、中でも大腸がんと胃がんは長期間に渡って発症者数の多いがんです。大腸がんのほとんどは良性の大腸ポリープから長く放置され、その一部ががん化することで発生します。早期大腸がんは粘膜表層に発生し、徐々に下層へと浸潤していって筋層に達すると進行大腸がんとされ、進行がんになると他臓器への転移も起こります。大腸ポリープからがんが発生するまでには比較的長い時間がかかり、がんが発生する前に大腸ポリープを切除することで将来の大腸がん予防になります。また、早期発見できれば生活に支障を及ぼさない楽な治療で完治が望めます。早期だけでなく進行してからも自覚症状に乏しいことが多いので、早期発見のためには症状がない段階で大腸カメラ検査を受ける必要があります。前がん病変の大腸ポリープは大腸カメラ検査時に発見された場合、その場で切除できますのでポリープ発症のリスクが上がりはじめる40歳を超えたら症状がなくても大腸カメラ検査を受けるようお勧めしています。
大腸がんの原因
動物性脂肪・赤身肉・加工肉の過剰摂取、食物繊維不足、肥満がリスクファクターであることがわかっています、また遺伝も発症しやすさに関与し、大腸がんを発症した家族がいる場合はリスクが高いとされます。また、大腸粘膜の炎症が長期間続くと大腸がんを発症しやすくなることがわかっており、慢性的な炎症性腸疾患の潰瘍性大腸炎やクローン病の場合には、定期的な大腸カメラ検査を受けて早期発見につなげることが特に重要です。
大腸がんの症状
早期大腸がんや前がん病変の大腸ポリープは、ほとんど自覚症状を起こさず、進行してもはっきりした症状を起こさないこともあります。病変が巨大化して便の通過を妨げると、便潜血検査陽性、血便、便秘や下痢、膨満感などの症状を起こします。症状がある場合はできるだけ早く消化器内科を受診して大腸カメラ検査を受けてください。なお、便潜血検査陽性の場合、精密検査をして発見される疾患で最も多いのは痔ですが、前がん病変の大腸ポリープが発見される確率が30%程度とされていますので、その時点で大腸カメラ検査中の切除を受ければ将来の大腸がん予防になります。陽性を指摘されたら、早めに消化器内科を受診してください。
当院の大腸がん検査
大腸カメラ検査は、早期の大腸がんや将来がん化する可能性のある大腸ポリープの発見や確定診断が唯一可能な検査です。また、検査中に発見した大腸ポリープはその場で切除する日帰り手術を行っています。早期発見、治療、予防が1回の検査ですみ、切除のための入院や別日のスケジュールをつくる必要もなく、事前の食事制限や下剤服用も1回ですみます。
当院では、大学病院レベルの高度な最新内視鏡システムを導入し、研鑽を積んだ専門医が全ての大腸カメラ検査を行っています。信頼性が高く安全な検査を短時間で行うことができ、鎮静剤を用いることでウトウトしている間に検査を受けられますので、心身への負担も最小限に抑えることができます。