高血圧症

高血圧症とは?

高血圧症とは?高血圧症とは書いてある通り、血圧が高い状態です。多くの方の第一発見は健康診断などで測定した時ではないでしょうか?高血圧症とは収縮期血圧(一番高い圧)が140mmHg以上、もしくは拡張期血圧(一番低い圧)が90mmHg以上の場合が持続されているときに診断される病気です。
血圧は

  • 運動後
  • 寒い場所
  • ストレス
  • 飲酒後

など色々な要因で上昇します。一過性に上昇したものは高血圧症とはいえません。特に病院で測定した場合、白衣高血圧症といって緊張して上昇する方もいます。つまり、健康診断で指摘されただけで即時に高血圧症と診断できないのです。常に高い状態があって初めて高血圧症と診断される病気です。高血圧症の重症度の分類としては

※スクロールで全体を表示します。

分類 収縮期血圧 拡張血圧
正常域血圧 至適血圧 <120 かつ <80
正常血圧 120-129 かつ/または 80-84
正常高値血圧 130-139 かつ/または 85-59
高血圧 Ⅰ度高血圧 140-159 かつ/または 90-99
Ⅱ度高血圧 160-179 かつ/または 100-109
Ⅲ度高血圧 ≧180 かつ/または ≧110
収縮期高血圧 ≧140 かつ <90

高血圧治療ガイドライン2014,P19,P20,日本血圧学会高血圧治療ガイドライン作成委員会編、日本高血圧学会発行より引用

のようになっています。正常値でも、収縮期血圧が130以上、拡張期血圧が85以上の方は高血圧症予備軍と考えられてます。これは2019年の循環器ガイドラインで血圧が120~127/72~76ぐらいの方が、最も心血管の病気の発症が低くなったという報告があったためです。このため合併症がない75歳未満の方でも、130/80mmHg以下とするように強化されました。年齢が高い方は低めに調整された方が良いとされています。

高血圧症は実は国民病といわれるくらい多く、3500万人から4000万人くらい、さらに予備軍を含めると5000万人を超えるとも言われます。年齢が上がれば上がるほど、高血圧症のリスクは高くなります。60歳以上だと60%以上、70代以上になれば70%以上と、年齢が上がると正常の方の方が珍しくなります。
なお血圧が上がる原因としては、

  • 塩分の過剰摂取
  • 運動不足
  • 喫煙
  • 多量の飲酒
  • 肥満
  • 加齢
  • 遺伝子

などの本態性血圧と、

  • ホルモン異常
  • 心疾患
  • 腎臓病

などで起こる2次性高血圧症があります。

高血圧症の症状は?

高血圧症の指摘を受けた多くの方は、無症状だと思います。血圧が高いと言われても症状がないため、放置していた方も多いのではないでしょうか?実際に急激に血圧が上がると、高血圧緊急症といわれる症状が起こりえます。具体的には

  • 頭痛
  • 動悸
  • 嘔気
  • めまい

などが一般的です。しかしこのような症状が起きるまで、高血圧症が発見できなかった人は稀です。そのため人によっては高血圧症といわれても、『症状もないし放置しよう』とおもってしまうのではないでしょうか?高血圧症という病気を知らない人は少ないでしょうが、高血圧症を放置するとどうなるか皆さんご存知でしょうか?実は非常に怖い病気を引き起こす原因になるのです。

高血圧症の症状は?高血圧症とは血管に高い圧がかかり続けることを意味します。血管に圧がかかり続けると、血管に負担がかかり続けることになります。これによって血管が傷つき、傷を修復し、また傷つきを繰り返すことで徐々に血管が固くなります。この状態を動脈硬化といいます。動脈硬化が引き起こされることで、

  • 傷つき、かさぶた(粥腫)ができたものが、高血圧で吹き飛ばされて臓器に詰まってしまう。
  • 高い圧が血管にかかり続けて。血管が破れてしまい出血する。
  • 血管が傷つき続けて、固くなり狭くなることで血液の循環が悪くなり栄養がいかなくなるといったことが挙げられます。動脈硬化まで血管がダメージを受けてしまうと、元に戻ることができません。つまり症状がないからといって高血圧症を放置してしまうと、動脈硬化が進行してしまい、時すでに遅しになってしまうのです。動脈硬化で血管が痛められることで一番ダメージを受けやすい臓器が
  • 心臓→心筋梗塞・心不全
  • 脳→脳出血・脳梗塞
  • 腎臓→慢性腎不全

などが挙げられます。特に心筋梗塞・脳出血・脳梗塞は突然起き、突然死するリスクもある病気です。元気な人が突然亡くなるときは大体上記3つの疾患の可能性が高いです。さらにこれらの病気は突然死しなくても恐ろしい後遺症を引き起こします。それぞれの病気の恐ろしさについて簡単に記載していきます

心筋梗塞について

心筋梗塞は心臓に栄養を起こる血管が詰まることで引き起こされる病気です。心筋梗塞はまず突然の胸痛によって引き起こされることが多いです。冷や汗が出て、顔面が蒼白になるほどの強い痛みです。合併症として息が苦しくなったり、嘔気を催すこともあります。心筋梗塞が起きると30%の方は命を落とすともいわれる怖い病気です。日本人の死因としても癌の次に、心筋梗塞が第二位となっており多くの方が命を落としています。この病気の厄介な所は起きた初期は、心電図や採血で異常を呈さないことがあります。心臓のエコーで動きが悪いかどうかで確認するのですが、心臓のエコーは循環器以外できないことの方が多く、誤診が多い病気ともいわれています。心筋梗塞の治療は

  1. 緊急カテーテル(血管内にカテーテルを通しステントを入れてつまった部位を広げます)
  2. バイパス手術(血管が詰まってる部位が多い場合は手術で、他の血管をつなげて別の血管の通り道を作ります)

などの治療を行います。かりに心筋梗塞の治療ができたとしても、血管が詰まって壊死した心臓細胞は二度と復活しません。これによって、狭心症(心臓の動きが不整になる)や心不全(心臓の動きが悪くなる)などの合併症が起こります。さらに一番患者様を悩ますのが幻肢痛という胸痛です。

  • またあの激しい痛みが来たらどうしよう?
  • 心筋梗塞が再発したかも?

という強い不安感から、激しい痛みがおき続けます。一度心筋梗塞を起こした方は、リスクがあるためその都度病院に行き、細かい検査を受けて異常なしという診断を受けることになります。何度も続くと、家族からオオカミ少年のような扱いを受けて軽視されるようになり、気持ちも落ち込むことになります。

脳出血

血管に強い圧を受け続けることで、脳血管が破れることで引き起こされます。症状としては激しい頭痛があげられます。

  • 今まで感じたことないオノで切られたような痛み
  • 突然の頭痛

の2点が脳出血の疑う所見となっています。また出血部位によっては

  • 嘔気
  • 激しいめまい
  • 片足、手のしびれや麻痺

などを合併することもあります。脳の出血を確認するには頭部CTという検査をしないと分からないのですが、CT検査は総合病院のような大きな病院でないと難しい検査です。また初期少量の出血だとCTでわかりづらいことも多く見逃されるケースもあります。治療としては高血圧症で引き起こされた場合はまずは降圧薬で血圧を下げて、血管にかかる圧を取る必要があります。出血が多い場合は、緊急手術で出血部位を止める必要があります。しかしあまりにも出血がひどい場合は手術しようにも手が出せずそのまま亡くなってしまう場合も多々あります。

脳梗塞

脳梗塞は脳の血管が詰まることで、起こる病気です。タイプとしては3つあり

  1. 脳の比較的太い血管が詰まることで起こる「アテローム血栓性脳梗塞」
  2. 脳の細い血管が詰まることで起こる「ラクナ梗塞」
  3. 心臓でできた血栓が脳の血管で詰まることで起こる「心原性脳塞栓」

という3つの主なタイプに分けられますが、3タイプとも動脈硬化がもともとの原因で起きるものです。症状としては

  • 左右どちらかの体が動きづらい
  • 舌が回らず喋れない
  • 物が2重に見える
  • 激しいめまいがする

などといった症状が突然起こることが多いです。脳梗塞の診断は頭部MRIといって、先ほどのCTよりさらに特殊な機械で精査することになります。そのため頭部MRIを読影できる医師さらに検査できる技師は限られるため初動が遅れることも多いです。脳梗塞の治療としては、t-PA治療といって血栓を溶かす治療やカテーテル治療で血栓を回収する治療があります。どちらも時間が勝負で数時間以内に行わないと脳が壊死して意味がないとされています。先ほどの検査以上に治療は特殊であり総合病院の中でも神経内科、脳外科がいないと治療できないことが多いです。

脳卒中の後遺症

脳出血・脳梗塞を合わせて脳卒中といいます。脳卒中が起きた場合無症状で退院できる人の方が少ないです。具体的な合併症としては、

  • 運動麻痺(右か左の手足が動かない、もしくは力が入りづらい)
  • 感覚麻痺(手足のしびれが残って日常生活に支障が出る)
  • 構音障害(口が回らなく会話ができない)
  • 嚥下障害(食べ物や飲み物が上手く呑み込めず、誤嚥を繰り返す。場合によっては肺炎を繰り返すことになる)
  • 記憶障害(昔の思い出が無くなったり、短期の記憶が無くなったりする)

など多くの障害が残ります。重症度によっては日常生活が送れず、介護が常に必要になることも多いです。リハビリテーションでも完治するのは難しく基本的には不自由な状態で過ごすことになります。こうなるとご自身の余生も非常に苦しいものになります。できることが制限され、意思疎通が難しいことも多いです。また、お世話をする家族にも非常に負担がかかります。あまりに症状がひどい場合は一生施設で過ごす方もいらっしゃいます。

このように症状がないからと高血圧症を甘く見ていると動脈硬化が進行して怖い病気が突然やってくる病気です。決して高血圧症を軽視しないようにしましょう。

当院の高血圧症の診断・検査について

高血圧症で受診された方は主に2パターンです。

  1. 健康診断などで初めて診断された
  2. 以前から治療していたが、中断した、もしくは転院希望

どちらの場合でも大切なことは、現在高血圧の症状がどうかです。当院では、最も正確に測れる上腕タイプの自動高血圧機を待合室で準備しております。診察前に、測定することでスムーズに診療できるように心がけております。特に(1)の健康診断で一回しか血圧が高くない人は、一過性の可能性もあるため、当院で再度血圧を測定してみましょう。

一方で健康診断や、診察で血圧が高くてもすぐに高血圧症とは判断できません。先ほど記載した白衣高血圧症といって、緊張して一時的に血圧が上がっている場合もあるからです。そのため、自宅での血圧が非常に重要になりますので、血圧計の購入をお願いしております。血圧計は今はネットでも簡易的に買えますし、安いものでしたら5000円前後で購入できます。先ほど述べた動脈硬化の第一歩を踏み出してないかぜひ血圧計で毎日測定してみましょう。血圧手帳を無料で当院ではお渡しするのでそれに記載してもらい状態を確認しようと思います。

一方で大切なことは『血圧の数字を下げる』ことではなく、『血圧が高い原因は何か』、『動脈硬化が他に起こる要因はあるか?さらにすでに合併症はあるか?』ということです。どうしても見た目の高血圧の数値ばかりが気になりますが、『数値』ではなく、『身体』を守るもしくは治すことが大切になります。

まず高血圧症が起こって一番負担がかかるのが心臓です。逆に心臓にエラーが起きて

  • 心不全
  • 不整脈

が起きた結果心臓に負担がかかって血圧が上がっている可能性があります。そのため高血圧症の方はまず心臓が問題ないか、

  • 胸部レントゲン写真→心臓の大きさ
  • 心電図→心臓の動き

を確認します。逆に当院では胸部レントゲン写真で撮影して肺炎などの精査しているときに心臓が大きいのが分かって高血圧症と診断したケースも多々あります。
健康診断直後で来た方は、直近で胸部レントゲン写真や心電図検査している場合もあるのでその場合は問題ないですが、

  • 健康診断からしばらく時間がたっている
  • 血圧だけしか測ってない

などの方はぜひ一度心臓問題ないか検査してみましょう。特に心電図で異常があった場合は総合病院での加療が必要になることもあるので、安心して血圧に向き合えるか確認していきましょう。

心臓の状態が問題なければ次に気になるのが合併症です。高血圧症含めた生活習慣病は、複数疾患がある方も多くいます。生活習慣病の代表としては

  • 高血圧症
  • 脂質異常症(高脂血症)
  • 糖尿病

があげられます。こちらも健康診断で採血直後であれば大丈夫ですが、期間が空いているのであれば高血圧だけ治せばよいか確認する必要があります。もし、脂質異常症や糖尿病もあれば血圧だけ下げても動脈硬化が進んでしまうからです。さらに動脈硬化が進行して臓器障害が起きてないか、肝臓や腎臓なども一緒に調べてみましょう。同時に心臓に負担がないかBNPという値も測定します。もし心不全が疑われたら心エコーの検査を行いますのでぜひおっしゃってください。

また大切なのが、先ほど述べたように高血圧症は生活習慣が原因で起きる本態性高血圧症と、体の病気が何かあって上がる二次性高血圧症の二つがあります。特に意外と見落としがちなのが、甲状腺の病気です。そのため当院では積極的に甲状腺の採血も行っています。何度も採血すると、患者様にご負担がかかるのでなるべく一度で済むように検査してまいります。もし採血で異状なければ、最後に可能性として残るのが睡眠時無呼吸症候群です。

  • いびきや無呼吸
  • 日中の眠気
  • 倦怠感・疲れやすい

などの症状はないでしょうか?高血圧症があってこれらの症状が認められる方は非常に睡眠時無呼吸症候群が疑われます。睡眠時無呼吸症候群は寝ている間に息の通り道が狭くなり、呼吸しづらくなる、もしくは呼吸が止まる病気です。その結果、体中の酸素が足りなくなるため、代わりに心臓が頑張って動くことで、少しでも酸素を体内に運ぼうとします。心臓が頑張った結果血圧が上がる病気です。この場合睡眠時無呼吸症候群が原因ですので、血圧を無理に下げても意味がないです。当院では睡眠時無呼吸症候群かどうか簡易検査でまず確認することができます。家で一晩つけるだけで確認できるため、非常に簡便です。お値段も2000円程度なのでぜひ一度確認してみてください。自分は大丈夫と思っている人でも実は睡眠時無呼吸症候群があったという人は沢山います。特にアジア人は顎が小さいため肥満がなくても睡眠時無呼吸症候群を合併している人が意外と多いというデータもあるので注意が必要です。

このように当院では高血圧症を認めた場合

  • 心臓に負担がかかってないか?
  • 合併症はないか?高血圧症の原因となる疾患はないか?

確認することができます。患者様によっては検査希望がない方もいると思うのでその場合はお伝えしていただければ柔軟に対応します。

しかし、採血、レントゲン、心電図を半年以内で受けてない方はぜひお勧めしたいと思っております。

当院での高血圧症の治療

高血圧症は、血圧が高いだけですぐ治療というわけではありません。危険因子がどれ位あるかで、治療が決定されていきます。具体的な表としては

※スクロールで全体を表示します。

軽症高血圧
140-159/90-99mmHg
中等度高血圧
160-179/100-109mmHg
重度高血圧
≧180/≧110mmHg
リスク第1層・危険要因0 低リスク 中リスク 高リスク
リスク第2層・1~2個の危険因子 中リスク 高リスク 高リスク
リスク第3層・3個以上の危険因子・一発アウト因子 高リスク 高リスク 高リスク

このようにリスク因子がいくつあるかで治療するかどうか決まります。高血圧の治療は前述したように動脈硬化を防ぐために行います。そのため動脈硬化が他に起こる疾患が合併しているか、もしくは動脈硬化が進行すると危険になる疾患があるかどうかが重要になります。
一発アウトの因子としては

  1. 糖尿病
  2. 重いメタボリックシンドローム(糖尿病境界域+脂質異常症+肥満)
  3. 慢性腎臓病や血液循環系の臓器障害

となります。糖尿病がある方は動脈硬化含めて臓器障害起こしやすいため非常に危険因子になります。合わせて重いメタボリックシンドロームも同様に高血圧合併していると危険因子がほぼ勢ぞろいするため危険と判断されます。また腎臓や血液循環系が障害されている方はすでに動脈硬化が進行している可能性が高いため積極的に、治療が推奨されています。

その他の危険因子としては、

  • 高齢者(65歳以上)
  • 喫煙
  • 脂質異常症
  • 肥満(特に腹部肥満)
  • 若年(50歳未満)発症した心臓病の家族歴がある

などが挙げられます。前述したように採血施行したい理由としては糖尿病や脂質異常症、臓器障害を確認して血圧の治療を開始するかどうか正確に見極めたいという理由があります。

治療するかどうかの指標として、

  • 低リスク→三か月生活習慣改善にて140/90以下になるかどうか
  • 中リスク→一か月生活習慣改善にて140/90以下になるかどうか
  • 高リスク→薬治療

となっております。低リスクは表で見て分かるように血圧も160/100未満かつリスクもない方です。この場合はそもそも本当に血圧が常に高いかどうか見極める必要があります。先ほども記載したように診察室だけ緊張して血圧が上がる白衣高血圧症の可能性があるためです。一方で中リスクは早期に血圧が下がるかどうか見極める必要があります。さらに高リスクの方は即治療対象です。表を見ると180/110以上の方は重度の高血圧症と考え即治療が必要になることが分かります。また血圧が140/90程度であっても重度なリスクがある方は治療を即時始める必要があります。

治療薬ですが、当院はガイドラインに基づいて処方していきます。初期治療としては、

  1. ARB、ACE阻害薬
  2. 抗Ca拮抗薬

のどちらかを選択することが多いです。

  • 患者様の血圧状況
  • 合併症
  • 年齢
  • 生活スタイル

などを加味してベストな薬を選択して行ければとなっております。もし単剤で下がらなければこれらの合剤も近年登場しております。薬の種類が増えるほど煩雑になるため、当院では合剤含めてなるべく少ない錠数でコントロールできるよう努めてまいります。
上記以外の薬でも、

  1. β遮断薬
  2. α遮断薬
  3. 利尿剤
  4. ミネラルコルチコイド受容体(MR)拮抗薬

などの薬剤を先ほどの状況を加味して投与します。なお6番のMR拮抗薬は2019年登場した高血圧症の中でも新しいお薬になります。当院は新しいお薬も必要であれば柔軟に使用するようにしていきます。また飲み薬が苦手、飲んでる量が多くて増やしたくないという方は、フランドルテープといった貼り薬も準備しております。血圧不安定の方は、貼り薬の方が途中で外せたりと柔軟に対応できるため、こちらも患者様に合わせて使用していきます。また高血圧症は数日薬を飲んだら終わりという疾患ではありません。毎日続けることで効果を発揮する薬です。そのため当院では週7営業することで患者様に少しでも継続しやすい環境を作っていきます。

いずれにしても高血圧症が疑われる方は自宅での血圧測定が必須です。

  • そもそも持続して血圧が高いか
  • 生活習慣改善及び治療薬投与で血圧が改善したかどうか

自宅での血圧が非常に重要になります。他の病気と違い高血圧症は自宅での血圧を測らないと、現状の治療で良いのかどうか判断できなくなるためぜひ購入してみてください。
当院では血圧手帳を無料でお渡しするのでぜひ毎日の血圧を測定していきましょう。

  • そもそも本当に血圧が高いのか?
  • 治療薬に高血圧が改善しているか?
  • 時間帯によって血圧の変動はあるか?

血圧計がないと測れないため、ぜひよろしくお願いします。

高血圧症の生活習慣改善に関して

高血圧症は本態性高血圧症と二次性の高血圧症があります。どちらが多いかというと圧倒的に本態性高血圧症です。つまり生活習慣によって高血圧症を引き起こしている可能性が高いのです。そのため、高血圧症の方はぜひ生活習慣を見直していただければと思います。
具体的には、

  1. 減塩
  2. 節酒
  3. 食習慣の改善
  4. 減量
  5. 禁煙
  6. 有酸素運動の習慣

になります。高血圧症の方はいくつか当てはまっているのではないでしょうか?それぞれの項目に関して簡単に解説していきます。

減塩①減塩ですが、塩分6g未満が推奨されています。一方で塩分6gはかなり厳しい制限です。私も減塩食を食べたことがありますがほぼ味がしません。平均日本人の塩分摂取量は10~12gと、目標値の倍以上になるので、標準の食事の半分程度の味になります。そのため調味料(塩、味噌、醤油)などの使用がほぼできなくなります。

②またお酒も飲み過ぎの方は要注意です。少量であれば高血圧症に良いというデータもありますが、それをいいことに高血圧症の方は飲み過ぎの傾向があります。厚生労働省で発表されているアルコール量は純アルコールで20g/1日 程度とされています。大まかな目標は、「ビール500ml缶1本」「日本酒1合」「酎ハイ350ml缶1本」となっています。これを上回れば上回るほど高血圧症のリスクが上がると言われています。

③減塩にも通じることですが食事自体の改善も必要になります。高血圧症がある方は糖尿病や高脂血症の合併もリスクファクターになるため、塩分だけじゃなく、カロリー摂取量にも気を付ける必要があります。しょっぱいのは良くないから甘いものに走る方もいますが、これで糖尿病が発症したら本末転倒です。野菜や果物が一般的には良いとされています。しかしこれも取りすぎて肥満になってしまっては高血圧症のリスクになります。

④肥満はBMI25未満が目標となっております。BMIは「体重(kg)/身長(m)の2乗」で計算できますのでぜひ一度計算してみてください。25以上の方は、ぜひ減量を心がけましょう。

⑤タバコは百害あって一利なしという位体に悪いものです。タバコの有害物質自体気管支や肺を痛めつけるだけでなく、血管自体にもダメージを与えることで動脈硬化の原因となります。高血圧症よりも喫煙の方が、癌、心疾患、脳疾患の発症リスクが優位に高いというデータもあります。つまり血圧を下げても喫煙していたら動脈硬化をはじめとして、病気の進行を促進してしまいます。当院は禁煙外来も設けてますのでぜひこれを機会に、タバコを吸っている方は、禁煙にもチャレンジしてみましょう。

ジョギング⑥食事のほかに運動も重要なファクターになります。これは糖尿病や脂質異常症の予防になります。ただし注意が必要でここでいう運動とは有酸素運動になります。運動には主に二種類あって、

無酸素運動→短時間に強い力を発する運動
例)バーベルなどを使ったウェイトトレーニング、短距離走

有酸素運動→長時間、比較的弱い力を加え続ける運動
例)ジョギング、長距離走、水泳、自転車など

となります。無酸素運動は筋力をつけるのに適した運動で、高血圧症の改善にはつながりづらいので注意が必要です。また有酸素運動も定期的に続けることが重要です。1回30分程度で軽く汗ばむ程度の運動を続けるようにしていきましょう。理想は毎日ですが、最低週に2,3回目指しましょう。

これらの内容に関して当院ではパンフレットを無料でお渡しします。食事など何を食べればよいか、塩分はどうコントロールすればよいかご確認してみてください。

まとめ

  1. 当院では血圧の数字のみならず、数字の先にある患者様の身体を守ることに重点を置いていきます。
  2. 高血圧症をなぜ治す必要があるか、動脈硬化の説明をさせていただきます。
  3. 高血圧症の合併症および原因疾患がないか確認をしていきます。
  4. 院内に血圧計があるため、その値に応じて治療を開始していきます。
  5. 血圧手帳を無料でお渡しするので定期的に家庭での値を確認していきます。
  6. 週7、夜遅くまで営業することで、患者様が薬を継続しやすいよう努めてまいります。
  7. 食事や運動に関してはパンフレットにて生活のどの点に気を付ければよいかお伝えします。

高血圧症含めて生活習慣病は基本的に症状がない病気です。症状がないとついつい油断して放置してしまう人も多い病気です。また血圧が下がっても飲み続けなければいけないので途中離脱してしまうこともしばしばあります。
高血圧症がなぜ問題ないか?ということを理解してないと、どうしてもモチベーションが上がりづらいかと思います。当院では高血圧症を放置した際の動脈硬化、さらに動脈硬化によって心筋梗塞、脳梗塞、脳出血といったリスクがあることを伝えられればと思います。高血圧症は患者数が多い病気ですが、放置すると非常に恐ろしい病態を引き起こします。私も医師として心筋梗塞後や脳卒中後の人の診察を多く経験しましたが、どの方も生活の質を大幅に落としております。『何か起こったら高血圧症治療すればいいや』では時すでに遅しになってしまいます。一人でも多くの患者様の生活習慣病を治したい。そんな思いで診療しておりますので、ぜひ気軽に受診していただければと思います。

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