生活習慣病

生活習慣病とは?

生活習慣病とは?
  • 食事を食べ過ぎた
  • 忙しくて運動する暇がない

などで現在の社会人は生活習慣病にかかりやすいライフスタイルです。また欧米化の食事なども重なって、生活習慣病の危険があります。

生活習慣病とは具体的には

  • 高血圧症
  • 脂質異常症
  • 糖尿病

といった病気があります。生活習慣病は今や国民病と言われる病気です。

  • 高血圧症:3,000〜4,000万人
  • 脂質異常症:200〜300万人
  • 糖尿病:1,000万人以上

と多くの方が罹患しています。年齢が上がれば上がるほど、罹患する人が多く60代以上であれば一つ位疾患を持っている人がほとんどだと思います。

当院はこの生活習慣病の患者様を一人でも多く治療していきたいと考えております。

生活習慣病を放置してはいけないのか?

多くの方が生活習慣に罹患、もしくは予備軍である一方、実際に治療している人は5-7割と言われています。どの疾患も罹患しているからといってすぐに症状が出るわけではありません。そのため、健康診断で指摘されてもついつい放置しがちになります。

生活習慣病の一番の問題は、動脈硬化が進行することにあります。動脈硬化とは、血管が傷つき続けることで、血管が固くなり、狭くなることで詰まりやすくなることです。血管が詰まるということは、重要な臓器に栄養や酸素を行き渡らせることができなくなります。
特に問題になるのが、心臓や脳です。この二つの臓器は非常に繊細であるため少しのダメージでも障害が発生する部位です。

具体的なリスク

生活習慣病を放置すると、以下のような重大な疾患を引き起こす可能性があります。

  • 心臓→狭心症、心筋梗塞
  • 脳→脳出血・脳梗塞

等が起こりえます。これらの疾患は発生した場合、命の危険にかかわる疾患です。さらに、命が助かったとしても、

  • 心筋梗塞後→また激しい痛みが発症するのではという幻肢痛、心不全
  • 脳出血や脳梗塞後→脳の一部にダメージを負い片麻痺や言葉が話せなくなる、記憶障害など

といった障害が残ることがあります。人によっては若くして一生を寝たきりで過ごすことになることも少なくありません。これら動脈硬化のリスクになるのが先ほど挙げた疾患です。アメリカでは1989年に死の四重奏といった概念が提唱されています。
これは

  • 高血圧症
  • 糖尿病
  • 脂質異常症
  • 肥満

この四つの病気は互いに併発しやすいうえに、悪影響を及ぼしあって動脈硬化を急激に進行させると言われています。この『死の四重奏』といわれる疾患を踏まえて現在『メタボリックシンドローム』という言葉があります。 メタボリックシンドロームとは、内臓のまわりに脂肪が蓄積した状態に加えて、高血圧、高血糖、脂質異常の3つのうち2つ以上が合併した状態です。この状態は一つ、一つが軽症でも合併することで急激に動脈硬化が進行するため危険な状態となります。

メタボリックシンドロームの診断基準

具体的には診断項目ですがまず腹囲が重要になります。

  • 男性85㎝以上
  • 女性90㎝以上

が必須項目です。これに当てはまった方で、

  1. 高血圧症(収縮期血圧130以上/拡張期血圧85以上)
  2. 高脂血症(善玉コレステロール(HDL)40未満/中性脂肪(TG)150以上)
  3. 高血糖(空腹時血糖 110以上)

このうち2つが当てはまるとメタボリックシンドロームと診断されます。健康診断ではこの項目に沿って検査を実地されているので、健康診断で異常が指摘されている方はぜひ自分がメタボリックシンドロームではないか確認してみましょう。

これら4つは心筋梗塞や脳梗塞が発症してから治療開始しても時すでに遅しになります。動脈硬化は進行してしまうと二度と元の状態に戻りません。ですから症状が起きる前から定期的に治療をして予防することが重要になります。

各々の病気についてもっと詳しく知りたい方は

の各ページに飛んでいただければご確認することができます。

当院の生活習慣病外来の8つの特徴

  • 健康診断で異常項目があった
  • 以前に生活習慣病の治療をしていた
  • 最近太ってきて生活習慣病が気になる

生活習慣病外来に来る方は様々なご事情でいらっしゃると思います。この生活習慣病で重要なのが『数字を治す』ではなく、『動脈硬化含めて体を守る』ことです。重要なことは、

  • 生活習慣病が他に合併しているか
  • 臓器障害含めて動脈硬化が進行しているか

の二点になります。さらに生活習慣病は一回受診したから治るという病気ではありません。長期間にわたり通院が必要になる病気です。そのため当院では少しでも患者様に通っていただけるように様々な準備をしております。以下に当院の特徴を記載します。

① 糖尿病、脂質の採血項目が院内で測定できます。

当院では糖尿病の診断に必要な

  • 血糖値
  • HbA1c

および脂質の診断に必要な

  • 悪玉コレステロール(LDL)
  • 善玉コレステロール(HDL)
  • 中性脂肪(TG)

が、院内で測定できます。そのため採血したら別日に結果説明といった、患者様に二度手間を取らすようなことは致しません。採血したら当日に結果を出すことができるため、検査と診察を同日に行うことができます。

②待ち時間の短縮に努めます。

生活習慣病の方は定期通院することになるのですが、問題の一つが『待ち時間』かと思います。薬をもらうのに長い時間毎月待つのが億劫になり辞めてしまう方もいるかもしれません。当院では予約制を導入しており、予約の方を優先に呼ぶようにしております。

また

  • 脂質
  • 糖尿病

等採血結果がないと効果判定できないものは事前に採血を提案させていただき、採血結果が出たら診察することで、診察→採血→診察といった手間を省くことができます。

もちろん、

  • 今日は急いでる
  • 体調が悪い
  • 健康診断最近行った

等で採血ご希望されない場合は看護師にお伝えいただければ柔軟に対処します。少しでも早く受診希望の方は事務にお伝えいただければ空いてる時間にご予約を案内いたします。

③ 食事に関係なくいつでも好きな曜日に受診が可能です。

当院は、週6診療しております。そのため好きな時に受診が可能です。脂質異常症や糖尿病は採血する際は食事を抜いてくるようにといった医療機関もあるかと思います。しかし実際働いていると、

  • 朝早くに受診するのは無理
  • 昼食をついつい食べてきてしまった

などなど、空腹時採血するのが難しい方もいる方と思います。大切なことは『正確な数値を測る』ことではなく、『生活習慣病から患者様を守る』ことです。そのため、空腹時にこだわり過ぎた結果、病院受診が遠ざかってしまっては本末転倒です。当院では、食後だったとしても、

  • 食べた時間
  • 食べた内容

を伺い推定で値を評価していきます。先ほど予約で待ち時間短縮と記載しましたが、予約しなければ受診できないといったことはありません。少し待ち時間いただくかもしれませんが、当日に受診も大歓迎です。

  • 横を通ったら薬がそろそろなくなるのに気が付いた
  • 昼休み少し時間があるから受診したい

等当日受診希望であっても全く問題ないのでぜひいつでも受診して頂けたらと思います。

④ 実際の動脈硬化の具合を測定してみましょう。

生活習慣病は動脈硬化から身を守るために治療いたします。では、生活習慣病の方は自分がどの位動脈硬化が進行しているか気になるところかと思います。「腕の血圧」と「足首の血圧」の比をみて、動脈の詰まりを診断する検査になります。また、院内でABI検査が可能です。

⑤ 合併症を起こしてないか精査致します。

各々の数値だけでなく、動脈硬化が起きているか、さらには臓器障害が起きてないか確認をご提案しております。健康診断でまとめて検査された直後の方は良いのですが、健康診断から日時が経過している方はぜひ細かく、

  • 脂肪肝になってないかどうか
  • 糖尿病や高血圧症で腎臓が障害されてないか
  • 甲状腺疾患によって血圧や脂質異常症が起きてないか

体に異常がないか広い検査をご提案しております。人によっては高血圧症から睡眠時無呼吸症候群を疑い検査したら治療が必要だった人もしばしばいます。このような方は高血圧の数字だけ治しても、その原因となる睡眠時無呼吸症候群を放置したら動脈硬化の進行を防ぐことはできません。

  • 生活習慣病が起きえる疾患の合併はないか?
  • 生活習慣病で障害された臓器はないか?

状態によっては患者様の身体を守るためにご案内させていただこうと思います。

⑥ 生活習慣の改善を促します。

生活習慣病という名の通り、

  • 高血圧症
  • 脂質異常症
  • 糖尿病

は食事と運動が大きく関与します。『薬で安定しているから好き勝手やればいいや』では、加齢とともにそれぞれの症状が悪くなって薬量が増えてしまったり、最悪薬ではコントロールできなくなってしまいます。当院では、食事と運動に関して書いてあるパンフレットをお渡しして、どのような食事が良いか、どのような運動をどれ位すれば良いかお話させていただければと思います。

⑦ 常に新しいお薬を含めて患者様にとってベストな治療を目指します。

常に新しいお薬を含めて患者様にとってベストな治療を目指します。生活習慣病は、国民病といえるくらい実に多くの患者様がいらっしゃいます。そんな中、各製薬会社が日々新しいお薬の開発に励んでおります。そのため、生活習慣病の分野の薬は日進月歩で日々新しいお薬が登場しております。当院では積極的かつ定期的に製薬会社の勉強会を取り入れており新しいお薬の知識を得るように努力してまいります。実はもっと良いお薬があったのに医師の無知で患者様にお届けすることができなかったということがないよう診察に当たらせていただきます。もちろん新しいお薬が全ての患者様に良いわけではないので、患者様ごとに良い組み合わせを常に模索していきます。
糖尿病だったら全員とりあえずこの薬みたいな治療は致しません。また転院ご希望の方も、処方できないお薬はないのでご安心して受診してください。

⑧ 薬剤なしをゴールに致します

糖尿病や高血圧症のお薬が始まったら、一生飲まなければいけないのか?そんなことから受診を躊躇する患者様も珍しくありません。動脈硬化から体を守るために、異常値の方は薬を飲み続ける必要があります。しかし1回健康診断で異常値を示しただけで一生薬を絶対に飲まなければいけないといったことはありません。生活習慣の改善に伴い数値が改善してきたら当院では、

  • 薬の減量
  • 弱い薬への変更

とともに薬なしをゴールにしていければと思います。一方で自己判断での中止は非常に危険です。せっかく安定していたものが自己中断で崩れてしまうと0からスタート、場合によっては前回治療時より強力な治療が必要になる場合もあります。漫然と薬を投与せず、切れる状態を目指しますので、患者様もぜひ定期的に受診していただければと思います。

まとめ

  • 当院では血糖値、脂質の値について当日すぐに結果をお伝えします。
  • 予約制を導入しているため、スムーズに診察できるように努めております。
  • 食前食後関係なく週6受診可能です。
  • 生活習慣病の合併症に関して細かく精査することも可能です。
  • パンフレットなどを使用し、生活習慣の改善をお伝えします。
  • 新薬含めて患者様にとってベストな薬剤を選択するように致します。
  • 生活習慣の改善で数値が改善すれば薬なしを目指していきます。

生活習慣病は、1,2回の受診で終わるということはなく長い期間定期受診が必要になる病気です。また、安定したと思って

  • 忘年会や新年会で飲み過ぎた
  • ついつい女子会でケーキなどを定期的に食べた
  • 寒いし運動をさぼった

など油断するとまたすぐ悪くなる病気のため、根気よく付き合うことが大切です。医師として生活習慣病を放置した結果、寝たきりなど辛い人生の方を大勢みています。一人でも患者様をそういった状態からすくうためにもぜひ気楽に受診して頂けば幸いです。