息切れの症状を確認
強度の高い運動をした後に息切れが起こる場合は心配いりません。
なお、次のような息切れの場合は、一度当院を受診してください。下のチェック項目になるにつれ、重症度が上がります
- 緩やかな上り坂を上った際や、早足による息切れ
- 駅の階段の昇降による息切れ
- 同世代の人と歩くと息切れするのは自分だけ、ペースに追いつけない
- 平らな道を100メートル歩くと息切れする
- 平らな道を数分歩くと息切れする
- 重度の息切れで外出が難しい
- 着替えただけなのに息切れする
息切れについて
呼吸をしづらい、息が苦しい、呼吸をすると苦しいなどの状態になることを息切れと呼び、呼吸困難とも呼ばれます。
最近、「息切れする」「肩で息をしている気がする」と感じることはないでしょうか?
これらは加齢が原因と思われるかもしれませんが、何かしらの疾患の兆候として起こっている可能性もあります。健康な方でも運動の後は息切れするもので、加齢によってちょっとした作業でも息切れすることは普通です。これらの息切れの原因が加齢なのか、疾患なのか、正確に鑑別することが重要です。
息切れの原因
以下のように、息切れの原因は、呼吸器疾患、心臓疾患、その他に大別されます。特に、命を脅かす心臓疾患の正確な診断と最適な治療を行い、悪化を防ぐことが極めて重要です。
息切れの検査
はじめに、呼吸器疾患や心臓疾患の中でも深刻な疾患を正確に区別することを意識して検査を実施します。スクリーニングの目的で胸部レントゲン検査や心電図検査を実施し、異常を詳しく確認します。心不全の恐れがあれば、採血や心臓エコー検査も実施し、診断・治療の適応があるかを確認します。冠動脈疾患の疑いがあれば、心臓CT検査、運動負荷試験、心臓カテーテル検査を行って詳細に確認します。
心臓疾患が除外されれば命を脅かすリスクは減るため、ひとまずは安心です。それから呼吸器疾患の検査をしますが、気管支喘息と区別するためには呼吸機能検査が効果的です。また、腎機能障害、肝機能障害、恒常性疾患、貧血などの疑いがあれば、採血を実施します。
息切れの治療
心臓疾患によって息切れが生じている場合、その原因(弁膜症、心不全、不整脈、冠動脈疾患など)に応じた治療を実施します。
一般的な治療法としては
①生活習慣の見直し、②薬物療法、③外科手術(連携先の医療機関ご紹介します)が挙げられます。
心臓疾患の中でも、心不全が起こることが最も多いとされています。心不全とは、「体内で必要な酸素が不足しており、各臓器に十分に運ばれない状態」のことであり、要するに、「心臓の機能が低下して水分が蓄積した状態」のことです。過剰な水分が肺に蓄積することで息切れが起こるため、塩分制限や水分制限を実施したり、心臓の機能を補助するお薬の処方やを実施します。
生活習慣の見直し
塩分や水分の過剰摂取を防ぐことが大切です。「健康のために水を2ℓ飲むと良い」という話は有名ですが、心臓の機能が低下している方にとっては危険ですので、お気を付けください。
薬物療法
心臓を守り脈拍をコントロールするお薬や、体内に蓄積した過剰な水分を排出するお薬など、原因疾患に合わせたお薬を処方します。