閉塞性動脈硬化症

閉塞性動脈硬化症とは

動脈硬化足の血管で生じる動脈硬化のことです。動脈硬化が起こると、文字通り動脈の血管が硬化して柔軟性が損なわれ、血液を円滑に届けることができずに複数の異常が生じます。足は運動の際に通常の10倍程度の血液を使いますが、動脈硬化によって血液が足りなくなり、筋肉に乳酸という疲労物質が蓄積して足に痛みが起こります。坂道や階段を登る際に足に痛みが生じる場合は、閉塞性動脈硬化症の恐れがあります。足に動脈硬化が生じると、70%の確率で心臓や脳でも動脈硬化が生じている可能性があり、足の痛みを自覚したらできるだけ早めに専門医に相談して最適な治療を受けることで、心臓や脳で生じる深刻な発作を防ぐことが期待できます。当院では、血管の動脈硬化を検査する最先端の機器を使っており、閉塞性動脈硬化などの疾患を早期発見できるようにしております。お困りの症状があれば、なるべく早めにご相談ください。

閉塞性動脈硬化症の症状

閉塞性動脈硬化症閉塞性動脈硬化症では次のような症状が起こります。
発症初期は自覚症状が乏しいことがほとんどで、筋肉痛や冷え性と勘違いしてしまう恐れがあります。
病状の進行度合いに応じて4段階の病期(ステージ)に分類されます。

  • 足の痛み
  • 足の痺れ
  • 足の冷え
  • 足の傷が長引いている
  • 足の色が悪い
  • 歩くと足に痛みが生じて、意図せずに立ち止まってしまう

病期(ステージ)は以下の4段階に分類されます。

フォンテインFontaine
分類

Ⅰ度

冷感、痺れがある

Ⅱ度

一定の距離を歩くと痛みを感じて歩けなくなる。なお、しばらく休憩すると再び歩くことができるようになる。

Ⅲ度

じっとしていても痛みが生じる。

Ⅳ度

潰瘍や壊死が起こる。

Ⅳ度に近づくにつれ重症度が上がります。
Ⅱ度以上になると治療を受ける必要があり、Ⅲ度以上では何かしらの外科的治療を要する場合もあります。

閉塞性動脈硬化症の原因

動脈硬化によって発症します。糖尿病高血圧などの生活習慣病、喫煙、加齢、肥満などが動脈硬化のリスク要因となり、食生活の欧米化を背景に発症者数が増加しています。特に男性が発症しやすく、ヘビースモーカーの方はリスクが高いと言われていますが、リスク要因が多数ある場合は老若男女関係なく発症する恐れがあります。

閉塞性動脈硬化症の治療

症状の問診、足の診察、エコー検査、血液検査、ABI検査などを実施して、病状に応じた治療を実施します。
検査はストレスや痛みが生じない方法で進めます。

生活習慣の見直し

適度な運動動脈硬化の原因を取り除くには、生活習慣の見直しが必要です。
喫煙によって血管が収縮して血流が滞るため、禁煙が不可欠です。
その他、コレステロールを摂り過ぎないようにして、塩分やカロリーの摂取も控えるように食生活を見直す、血糖や血圧を管理する、運動を習慣化することなども必要です。

薬物療法

血液をサラサラにしたり、血管を拡げることで足の血流を良くするお薬を使います。
病状に応じたお薬を使用し、場合によっては複数のお薬を使うことで、最適な薬物療法を実施します。

足のケア

足を清潔にすることが必要です。また、足の怪我に気を付けて、保湿をして冷えも防止しましょう。

外科治療
(バイパス手術、カテーテル治療など)

血管内にカテーテル(細い管)を入れ、閉塞しそうな場所や部分的に狭窄している場所をステント(網目状の管)や風船を使って拡張するカテーテル治療を実施します。
また、閉塞した場所の血管を通らないように患者様自身の血管や人工血管を接続して血流を良くするバイパス手術も行います。
手術をしなければならない場合は連携先の高度医療機関にお繋ぎします。